夢破れて山河あり
谷春にして草木深し
白頭掻けば更に短く
黒髪の春は帰らず
謹賀新年
夏だけだが、令和元年まで、仙人谷の山小屋で、20年暮らしました。 令和2年、突然コロナ感染症が世界に蔓延して大騒ぎになりました。 日本では東京オリンピックが延期になり、時の政権がひっくり返ったほどでした。
昨年、令和5年はコロナ感染症が風邪並みの病気になったために、それまで自粛していた登山者が、ワッと山に押しかけて、遭難者続出の年になりました。 仙人谷でも1名死亡、1名重傷という事故がありました。 事故が起きた時には、小屋のスタッフ全員が下山していたので、救助の手助けができなくて、申し訳ないと思っています。 小屋は休業していても、登山道整備は毎年欠かさずにしています。
仙人温泉小屋は令和2年から全面休業しています。 休業している3年間に小屋は毎年の雪崩で倒壊しました。 3年かけて、小屋の解体、残材のヘリによる荷下げをしています。 今年も残りの建物を撤去して整地をする予定です。 全面的に休業ですので、登山者の皆様のお役にたてないことを、心苦しく思っています。
俺が倒れるのが先か、山小屋が倒れるのが先か、と思っていたのですが、仲良く共倒れになりました。 経営者の高橋は今年73歳になります。 もう、山小屋経営の気力も体力も衰えました。 夢を維持することが年々重荷になっています。 誰か、夢の続きを見てくれる人がいれば、と思っています。
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